業(yè)務におけるAI技術(shù)活用の可能性について

蘆田　: 未來創(chuàng)造研究會の中で議論になったのは、「ヒロセの強みって何だろう？」ということでした。その1つが「まぎれもなく“少數(shù)精鋭”だろう」と。少數(shù)精鋭の良さは、営業(yè)なのに品質(zhì)や製造にも首を突っ込むといった、仕事の幅が広いことによる面白みや達成感だと考えています。しかし、自動車や産業(yè)機器の分野では新たなチャレンジで急速に人も増えており、今まで通り少數(shù)精鋭というわけにはいかない部分も。これまでと違うやり方、例えば人口知能（AI）などの新しい技術(shù)を活用することもあるのかなと考えています。その點についていかがでしょうか。

石井社長　: 確かに、今は自動車事業(yè)に人材を多く投入している狀況があるのは間違いありませんが、“少數(shù)精鋭では生き殘れないので人を増やしている”というわけではありません。単にリソースが不足しているために人を増やしているのであって、人を増やしていることと少數(shù)精鋭のマネジメントをどうしていくのかはまったく異なるポイントだと考えています。つまり、人を増やし、各々に活躍してもらい、少數(shù)精鋭の環(huán)境をどう作るのかが非常に重要な課題なのではないでしょうか。蘆田君の言う通り、少數(shù)精鋭の良さは1人ひとりが活動して達成感や成果を感じられることで、それはすごく嬉しいことで、個人、そして會社の成長にもつながります。だからこそ、ヒロセにとって少數(shù)精鋭は大事なことなのです。

蘆田　: 少數(shù)精鋭という文化の中で重要なのはどんなことだとお考えですか。製販技含めて「顔の見えるメンバーがいる」ということが背景にあると私自身は思っているのですが。

石井社長　: みんなが知り合いだから少數(shù)精鋭かというと、一面では間違いではないようなところはあるものの、それだけでやっていくのは難しい。グローバルにビジネス展開する時代に全員が常に知り合いでいられる組織はあり得ませんからね。そこで重要になってくるのは、やはり「コミュニケーション力」ということになってくるでしょう。知り合いかどうかではなく、コミュニケーションをしっかり取ることがとても大切になってきます。海外で働く人達は、言葉も文化も環(huán)境も違う中で育った人がたくさんいます。そういう狀況だからこそ、お互いさらに密で理解、認め合えるコミュニケーション力が重要なのではないでしょうか。

蘆田　: 今回私が挙げたAIという観點についてはいかがでしょうか。

石井社長　: 少數(shù)精鋭を?qū)g現(xiàn)する手段として、IT化を促進していきますが、今後はAIの有効活用も非常に重要だと思っています。コミュニケーション力をアップさせるためや生産性の向上など、さまざまな作業(yè)の効率化においてAIの重要性は今後どんどん高まってくるはずで、それをうまく活用できれば少數(shù)精鋭の実現(xiàn)にもつながると思います。いずれにしろ將來的なイメージとしてAIを無視して我々が市場で生き殘っていけるかというと、それはちょっと厳しいでしょう。

蘆田　: 私としては、AIを?qū)毪工脒^程で、何を?qū)W習させるのかという點が重要だと考えています。結(jié)局、AI導入にはヒロセにとってのコア業(yè)務を特定することが必要で、AIによる成果よりもその過程が一番大事なのではないでしょうか。今はどの業(yè)務も頑張ろうとして、コアでないところにもエネルギーを使っているように見受けられます。

石井社長　: 確かに、情報を収集したりデータを集めたりということにすごく手間取って、集め終えると「ああ終わった」といった“やり遂げた感”が出てしまう時もある。その後の分析や考察が重要なわけで、その下準備のためにAIを活用するような、ヒロセ流のAI活用をどうしていくのかを考えるのは大切だと思っています。具體的なところはまだまだで、AIの活用はこれからだという認識です。

蘆田　: 例えば中途で入社された人が3カ月でヒロセに慣れることができるのかと言えば、明示されていない業(yè)務フローやルールがたくさんあって、慣れるのに時間がかかるのが現(xiàn)実です。そういうところにエネルギーを割くのであれば、そこはAIを活用して効率化したほうがいいはずです。AIというものが少し突拍子もない意見であるのは承知していますが、何がヒロセにとってコアで、そのために何のデータ蓄積が必要か考えることは、今から始めておかないと手遅れになるはずです。

石井社長　: その通りですね。

強みとして位置づけられる“少數(shù)精鋭”について

蘆田　: 少數(shù)精鋭についてもう少しお聞きしたいのですが、少數(shù)精鋭が実感できていない社員も増えているのが現(xiàn)狀だと私は思っています。ここは石井社長とは異なる意見ではありますが、顔の知らない人が増えていくのは、やはりシンプルに距離を感じるものです。また、他の部署が何の情報を元に動き、何に注力しているのか、すごく伝わりにくくなっている部分もあります。これについてはいかがでしょうか。

石井社長　: 実際に短期間に人を増やしているので、その気持ちも分からなくはないかと。極端な話をすると、この橫浜センターでみれば、およそ5％の人が外國籍の方で、確かに數(shù)年前とは様変わりしている狀況です。月を追うごとに人が増えているという部門もあり、環(huán)境の変化で周りが見えにくくなってきていると感じるのは當然です。少數(shù)精鋭と言いながら人をどんどん増やしていって、本當に少數(shù)精鋭がやれるのかという素樸な疑問を抱いている方もいるはず。何かしらの手立てを講じる必要はあると感じています。

蘆田　: 石井社長を初め當社の幹部の皆さんは「コミュニケーションが上手」な方ばかり。ただ、そういうスキルにエネルギーを使わずとも、もっと會社の動きが見えるような環(huán)境を作って、少數(shù)精鋭の良さを発揮できればいいなと考えています。しかし、今日話を伺って、やはり少數(shù)精鋭にとてもこだわりを持っていらっしゃることが改めてわかりました。

石井社長　: 少數(shù)精鋭の良さは“ムカデ競爭”の例えで先輩から説明を受けた記憶があります。ムカデ競爭は人數(shù)が増えるとどうしてもスピードが落ちるもの。當然ながら2人のほうが歩幅を合わせやすく、絶対的に早くなるのです。そういったことを?qū)g感できるような雰囲気づくりが必要だなと痛感しています。このテーマはとても重要ですので、自分のやっている仕事も見ながら、どうやって少數(shù)精鋭の良さを広げていくのか、ぜひ各々が考えて欲しいと切に願っています。

蘆田　: どんな仕事も細分化すればつまらなくなるので、「いわゆる大企業(yè)」よりもヒロセが良いと思えるのが、この少數(shù)精鋭という考え方です。少數(shù)精鋭についてはしっかり殘していきたいと考えているのですが、今の自動車の事業(yè)にはいまだに人手が圧倒的に不足しています。もっとリソースを増やしていただけるとありがたいです。貴重な時間をありがとうございました。