海外事業(yè)展開(kāi)における業(yè)務(wù)のあり方について

市岡　: 私がターゲットにしている中國(guó)をはじめとした東アジア市場(chǎng)では、急速にビジネスの中身が変わってきています。しかし、業(yè)務(wù)の進(jìn)め方は私が入社した頃から大きな変化はないように見(jiàn)受けられます。例えば決裁1つとってみても、もっと海外に移譲したほうが判斷するスピードも向上するはず。中國(guó)や臺(tái)灣はビジネススピードが非常に早く、決裁の迅速化によって獲得できる商売もあるという実感があります。市場(chǎng)の狀況に応じた業(yè)務(wù)內(nèi)容の変化について、どのようにお考えでしょうか。

石井社長(zhǎng)　: 私も海外に出向く機(jī)會(huì)は増えていますが、とてもビジネスの展開(kāi)が早いというのを、現(xiàn)地に行くたびにヒシヒシと感じます。特に市岡君は普段からセールスで海外に行ってやり取りしているので、現(xiàn)地はものすごいスピードで動(dòng)いているのを目の當(dāng)たりにしていることでしょう。中國(guó)では、5年後には10倍の売上まで事業(yè)を拡大させる企業(yè)がゴロゴロ出てきているのに、いざ日本に帰ってくると、日本での業(yè)務(wù)の進(jìn)め方がもどかしいと感じてしまうのでしょう。そういうことを思うこと自體がとても大切だと思いますし、より良い価値をお客さまに提供することが我々の仕事だからこそ、「変えるべきところは、どんどん変えていくべき」だと私も考えています。

市岡　: 日本のヘッドクオーターでやっている業(yè)務(wù)のなかには、個(gè)人ごとに培ってきたスキルに頼った取り組みになってしまっていると感じることがよくあります。もちろん、いい面もあるのですが、急激に海外シフトが進(jìn)むなかで、同じような教育や業(yè)務(wù)フローは海外ではとてもできません。逆に工場(chǎng)はシステム化されすぎて、フレキシビリティにかける部分も。その中間あたりでうまくやれるような環(huán)境ができると良いと思います。

石井社長(zhǎng)　: 具體的にどうしていけばいいのかは、まだ答えが見(jiàn)えていませんが、そういう意識(shí)が薄れる前に、きちんと聲を上げてもらうことが重要です。今は社內(nèi)改善プロジェクトが動(dòng)いており、そのなかで取り上げてもらうような動(dòng)きをして欲しいと思います。決して市岡君の聲が小さいというわけではありませんが、しっかり聲を?qū)盲护毪瑜Δ使し颏獗匾扦埂Ｊ袑沃埭辘温暏饧幛埔护膜摔筏?、部署を?dòng)かす、本部を動(dòng)かす、會(huì)社を動(dòng)かすという大きな流れにしてくれると、もっといい會(huì)社になると思います。実際、會(huì)社を動(dòng)かしているのは市岡君のような若い社員であり、君たちの発信力がもっと強(qiáng)くなって、會(huì)社を変えていけるような環(huán)境にしていく必要があることを痛感しています。我々もそれを受け入れるだけのキャパシティを持たなければなりませんが、もっと前線(xiàn)の聲を聴くためのキャッチボールを積極的に行っていきたいと思います。

ビジネス強(qiáng)化のための企業(yè)買(mǎi)収について

市岡　: これから10年スパンで自社が強(qiáng)さを身につけるにはどういう方法があるのかチームで議論した際に、企業(yè)買(mǎi)収という話(huà)題が出てきました。例えば昨今の世界的な原材料不足のなかで、材料調(diào)達(dá)も含めた部分を社內(nèi)に取り込んでいければ、競(jìng)爭(zhēng)力の源泉になるのではと考えたのですが、どのようにお考えでしょうか。

石井社長(zhǎng)　: この質(zhì)問(wèn)は、「ズバリ企業(yè)買(mǎi)収が有りかどうか？」が問(wèn)われているものですが、ビジネスの次なる展開(kāi)としてこのオプションは當(dāng)然ながら有りだと思います。企業(yè)買(mǎi)収(M&A)という言葉だけでなく、連攜や協(xié)業(yè)などを含めていろんな形態(tài)がありますが、外部との強(qiáng)いリレーションによってビジネスを拡大、強(qiáng)化するという選択肢は當(dāng)然あるでしょう。ただし、M&Aそのものが目的になってしまってはイエスとは言えません。市岡君が指摘するように「企業(yè)を強(qiáng)くするための一つの手段」だということであれば、イエスという回答になります。しかし、M&Aを成功させるのはとても難しく、ある経営者は「M&Aの88％は失敗。10％は成功か失敗かわからない。そしてわずか2％のみが成功。」という表現(xiàn)をしているくらいシビアなもの?，F(xiàn)実はそんな狀況なのです。

市岡　: 石井社長(zhǎng)のおっしゃる通り、目的ではなく、あくまで手段として議論していました。そのなかで技術(shù)力を向上させたいのか、購(gòu)買(mǎi)力なのか、営業(yè)力なのか、システム力なのか考えてみたときに、チームとしては購(gòu)買(mǎi)力という結(jié)論に至ったのです。確かに困難なプロセスだというお話(huà)でしたが、他社も同じ狀況のはず。難しいからこそやることが、將來(lái)のうちの強(qiáng)みになるのではないかと考えたのです。

石井社長(zhǎng)　: 購(gòu)買(mǎi)力という意味でいうと原材料ビジネスの話(huà)になってきますが、原材料ビジネスのプロが社內(nèi)にいないため、連攜する先で相當(dāng)いい人間に出會(huì)わないとまず成功しないと斷言できます。どういう目的で買(mǎi)収して、買(mǎi)収した後のシナジーをどうするのか、マネージをどうするのかというのを相當(dāng)突っ込んで考えないといけないテーマで、しっかり専門(mén)チームを作って取り組んでいく必要があります。M&Aは自分たちに“心技體”のパワーが揃っていないと絶対成功しないものなのです。

市岡　: 我々は物を作って買(mǎi)っていただくことしか今のところはできません。だからこそ、原材料の調(diào)達(dá)は強(qiáng)くするべきだと思ったのです。実際に中國(guó)では、原材料の調(diào)達(dá)ができないローカルの部品メーカーから、我々のほうに商売が転がってくることも少なくありません。そんな狀況を目の當(dāng)たりにすると、やはりヒロセ自身が素材を購(gòu)買(mǎi)、調(diào)達(dá)する力を強(qiáng)化することがとても重要だと感じたのです。

石井社長(zhǎng)　: これは、將來(lái)においてもそうですが、まさに現(xiàn)狀の課題としても認(rèn)識(shí)しているところです。M&Aをするかどうかは別にして、サプライヤーの協(xié)力を得られるようリレーションを強(qiáng)化することは経営的な課題でもあるのです。極端な話(huà)、サプライヤーにとってヒロセは大勢(shì)の中の1社でしかありません。今後、調(diào)達(dá)力?購(gòu)買(mǎi)力の強(qiáng)化は、ヒロセ電機(jī)としてしっかりやっていかないといけない重要なポイントだと思います。

市岡　: 今日お時(shí)間をいただいて、提攜とか人脈作りなど、企業(yè)買(mǎi)収だけが手段でないということに気付くことができました。そういえば、チームでは具體的に落とし込めなかったのですが、事務(wù)作業(yè)的なものをうまくアウトソーシングしたりAIなどを活用したりすることで、営業(yè)リソースをマーケティング施策の立案など違う部分に振り分けられるといいのではという議論にもなりました。この點(diǎn)はいかがでしょうか。

石井社長(zhǎng)　: それはその通りだと思います。最終的には人の勝負(fù)になるため、人の知恵や力を生かす仕組みにしていかないと、會(huì)社は生き殘っていくことはできません。今まで以上にIT化を進(jìn)め、まあAIの活用がどこまでいけるのか判斷できない部分もありますが、いずれにせよ効率化という面で新しいテクノロジーをもっと積極的に取り込んで、人はもっとイノベーティブな業(yè)務(wù)に取り組んでいけるようにしていきたい。特に若く、才能のある人たちには、そんな働き方ができる環(huán)境を提供していきたいと思っています。

市岡　: いろいろと意見(jiàn)を聞いていただき、ありがとうございました。